ヴァンパイア
そして、男はキスをする。




魔術にかかったように、女はもがくのを止める。


熱く、絡みつく男の舌から伝わる体温。



女の口をかき乱し、今までのどんなものより・・・・・・女の身体中を熱くさせる。





女の目は虚ろに、遠くをみる。



"あなたは、とても美しい"



端正な顔に、黒い笑みが浮かぶ。



男は女を抱えあげ、優しくベッドに乗せる。



女はもう抵抗しなくなる。




忘れていたのか、信じがたいほどの痛みは女の体中を駆けめぐる。



静なる炎の中、女の自由は、男の手の中。




それはやがて赤い欲求・・・・・へ変わる。




夜の静寂に・・・・・女の呻き声は響く。





"あなたは美しい"



女の髪を掻きあげ・・・・・・・・・首の後ろにキスをする。
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