妹A ~5人兄弟+1~
第1章 風、薫ル…
―始まりの朝―
「早く出てよ!」
「待てよ。次オレだからな!」
トイレのドアを叩く駿(しゅん)に、後ろからスバルが怒鳴った。
「バカ、オレだよ。急いでるんだからなっ!」
「オレはさっきからずっと待ってんだよっ!」
カチャ。
「…おはよ」
寝ぼけ眼でトイレから長男・優(ゆう)が出て来た。
「次はスバル」
優が言うなり、五男・スバルがニヤッと笑って素早く入った。
「優にぃはスバルに甘いんだよ!」
「朝から血圧高めなんじゃないの?ヤバイよ、駿くん」
微笑みながら次男・駿の肩を叩いて優は洗面所に消えた。
「オレは低血圧だよ!」
「みんな~、朝ごはん出来たよ~」
三男・朋(とも)がエプロン姿で台所から声をかけた。
ぽつり、ぽつり、みんなが集まって来る。
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