妹A ~5人兄弟+1~
第5章 優しいキモチ
―近づく距離―
「何だよ。アイツどこだよ!」
スバルはあれからしつこく追いかけて来る麗花をまいて、急いで学校まで来た。
もちろん、校門でつかさが待っている訳はなく、学校に来たかどうかも確信が持てない。
「来てなきゃ探しに行くか…」
右手に持ったぺしゃんこの鞄を右肩に乗せると、ため息をついて校門をくぐった。
下駄箱でつかさの靴を確かめる。
「来てないか。…って、今時、ラブレターこんなとこに置くヤツいるんだ」
つかさの上靴の上に封筒が置いてある。
スバルは躊躇する事なくそれを取り出すと差出人を確認した。
「遥斗!?…アイツ、古典的な手、使いやがって」
フッと少し笑うと封筒を元に戻した。
「マジなんだな…」
小さく呟いた。