妹A ~5人兄弟+1~
「それじゃあ…、次来る時に必ずお金持って来ます」



「あっ、ちょっと待って。袋…」



「入れなくていいです。エコです。エコ。鞄に入りますから。ありがとうございました」



つかさは丁寧にお辞儀をする。



その時に少し動いた空気の波が、甘い香りを優に届けた。



(…いい匂い)



「じゃ…」



つかさの大きな目が優を見た後、笑って手を振り店を出て行く。



「あ…、ありがとうございました」



明るいオーラを放ちながら歩いて行くつかさの後ろ姿を、優はボーッと見ていた。



「あの子、いい匂いしてたな」

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