妹A ~5人兄弟+1~



スバルは川沿いの道をキョロキョロしながら走っていた。



「アイツ…、どこにいるんだよ」



走っているのと暑さのおかげで、ズボンもほとんど乾いている。



立ち止まってぐるっと景色を見渡すと、空を見上げため息をついた。



「どこなんだよ」



スバルは道を逸れて、土手にしゃがみ込む。



「喉渇いた…」



座ったそこに、緑色の小さな葉っぱが風に揺れていた。



「四つ葉?…四ツ葉のクローバーだ」



スバルの少し上がり気味の目が優しく下がる。



細く長い指がクローバーの根元に近い部分をつまんで、ポチッと音を立ててちぎった。

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