妹A ~5人兄弟+1~
スバルはズボンのポケットから何かを取り出して、つかさの顔の前に差し出す。



「ほら」



小さな銀色がキラッと眩しい。



「鍵?」



つかさが言うなりサッとポケットにしまった。



「そ。ここの合鍵」



「何で?」



「何で?…ここはオレの癒しの場所なんだよ」



スバルは手すりに手をかけると遠くを見た。



ちょっと長めの前髪が少し顔に垂れて来て、端正なその横顔はドキッとするほどカッコ良い。



遠くを見つめるその視線の先に何が見えるのか、つかさも視線を追う。



「ここ…落ち着くからさ。つかさと一緒で」

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