妹A ~5人兄弟+1~
「い…今のはあれだ。その…一般論ってヤツで。…だから…別に深い意味は…。一般論!」



言えば言う程、スバルはしどろもどろになって行く。



「分かってる。…ありがとう」



飛行機が頭上高く飛んで行く音が聞こえた。



微かに…



「明日、終業式の後、来れるか?」



YESの答えを期待してスバルが聞く。



「明日は…ごめん。先約あって」



少しの間を置いて、申し訳なさそうに断る。



「そっか…」



スバルはあからさまにがっかりした顔を見せた。



「スバル!」



つかさがいきなり呼ぶ。



スバルが振り返った瞬間、ほっぺたにキスをした。



「!!!」



「おまじない!…じゃあ、ね。バイバイ!」



隅に置いてあった鞄をガッと取ると、つかさは手を振りながら風のように走って行った。



「な、何だよ…いったい。おまじないって…」



スバルは1人、大きな真っ青な空の下に立ち尽くしていた。

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