妹A ~5人兄弟+1~
第6章 アバか…れる
―時が…動く―
「こんにちは!」
つかさが見覚えのある優しい背中に声をかけた。
「あっ、こんにちは」
下がった目尻が自分を無条件で受け入れてくれる。
「ちょっとぶりです」
つかさがはにかみながら言う。
「元気そうで良かった。待ってたんですよ」
しゃがんでいた優が立ち上がった。
「ほんとに?」
目が一回り大きく見開く。
「帰り?」
「はい。明日で終わりなんです。あっ、お金…持って来ました」
つかさは鞄から可愛らしい封筒を取り出すと優に渡した。
「…ありがとうございました」
軽くお辞儀する。
「いつでも良かったのに。…ありがとう。確かに受け取りました。今レシート持ってくるから、ちょっと待ってて」
優は微笑むとレジに向かった。