妹A ~5人兄弟+1~
「急にどうしたんだよ?」
空がかなり心配そうに聞く。
駿は深いため息をついて、やりきれない顔をした。
「ごめん…。何でもない」
それしか言葉が出ない。
「運転、代わろうか?」
「いや…、大丈夫。悪かったな」
気を取り直してゆっくりアクセルを踏み込む。
周囲に注意しながら運転しているものの、見慣れた景色がぼやけて映る。
(まさか…まさか…)
拭いきれない思いがぐんぐん押し寄せて来る。
「空…、」