妹A ~5人兄弟+1~
「どうぞ。どうぞ。あっ!スバルと気が合うかも。同じ匂いがするもん」



屈託なく笑う。



「どんな匂いだよ」



あの甘い匂いをほのかに嗅ぎながら、つかさを愛おしそうに見つめた。



街灯に浮かび上がる向日葵より、暗闇でひんやりと体を包むクローバーより、この指先を触れさせたいとスバルは思った。



「あっ!見て!見て!だいぶ星が出て来たよ」



つかさはいきなり立ち上がると真上を見つめながらグルッと回った。



短いスカートの裾がヒラリと浮いて、スバルは一瞬ドキッとする。



「あれ!北斗七星だよね?…と、あっ、あれが北極星!北極星だよ…」



つかさは急に黙りこんで星を見つめる。

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