妹A ~5人兄弟+1~
「デート?」



優は少し驚いて空を見る。



空は左手で頬杖をついて小さくため息をつくと、パタンと雑誌を閉じた。



「スバルもデートくらいするでしょ?」



目を合わさず、何か含みを持った言い方が優は引っ掛かった。



空はたまに意地悪く言う癖がある。
相手の反応を楽しむように。



「そうだな。スバルはカッコイイしな。付き合ってる子くらいいるよな?…その言い方だと、空は知ってるんだな」



スバルに彼女が出来た事が微笑ましく、優は照れ気味に笑った。



「さぁ。そこまでは知らないけど。アイツ、モテるのは確かだしな。優にぃ、もたもたしてたら先越されるよ」



「あっ!オレ、見た!!今朝園庭にいたらさ、綺麗な女の子連れたスバルが向日葵畑の方に歩いて行ってた!」



優の向かいに座ってビールを飲み始めた朋が、思い出したように口を挟んで来た。

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