妹A ~5人兄弟+1~
「好み?何の?」



優は訳の分からない顔をして空を見る。



「女に決まっ…痛っ!!」



パシッという音と共に、空に痛みが走った。



頭をさすりながら振り返ると、風呂から上がったばかりの駿が素知らぬ顔で立っていた。



「駿にぃ!なん…」



『なんだよ』の『だよ』を言い終わらないうちに駿が口を挟む。



「服の好みの事だろ?」



言いながら空の隣にドカッと座ると、ギュウッと足を踏んだ。



「イテェよ!」



空が駿を見る。



駿は丸い大きな目を上に吊り上げて一瞬、キッと睨んだ。



空は悪戯を叱られた子供のように気まずく笑うと、軽く首を引っ込めた。

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