妹A ~5人兄弟+1~
「駿、何で空を叩くんだよ」



優は少し怒った顔で駿を見る。



「叩いてないよ。気のせいだって。あ…そうそう、コイツ、オレのシャンプー勝手に使ってんだよ。あれネットで頼んでる高いヤツなのにさ」



「それくらいで怒るな」



表情がいつものように和らいで、おっとり話す。



「減るだろ?…空、風呂入って来い。シャンプーは使うなよ」



「せっかくいい所だったのに」



空は悪戯っ子っぽく笑うと席を立った。



「なんだよ。アイツ、訳分かんねぇな」



駿は笑いながらテレビをつけた。



「オレ、コンビニ行って来る」



優が立ち上がる。



「何しに行くの?」



「ちょっと」



「一緒に行くよ」



ふいに嫌な予感がして駿も立ち上がった。



「子供じゃないんだからさ。1人で行けるよ」



少しハニカミながらそう言うと家を出た。

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