妹A ~5人兄弟+1~



「ねぇ、最初に会ったの、この道だって覚えてる?」



暗くなった砂利道を歩きながらつかさがスバルに聞いた。



「お前、気付いてたの?」



「もちろん。スバルの友達が白々しく私を見てたでしょ?どういうつもりだったのか知らないけど」



微妙な距離感を保ちながら、2人の時間を楽しむように歩いて行く。



「やっぱりな。遥斗、ちょっと白々しかったよな?」



「うん」




会話が途切れると、横に流れる川の音が心地良く2人の空間を包む。



「あの時オレの事、見てたっけ?」



「一瞬ね、振り返ったの。何か感じて。そしたらスバルだった」



にっこり微笑んでスバルを見上げる。



「殺気感じた?」



目力のあるスバルの大きな目が、つかさを見つめ返す。



「フフフ…。そうだったかも」

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