妹A ~5人兄弟+1~
第9章 四ツ葉のクローバー
―夏空―
どれくらい時間が経ったのだろう。
スバルの頬を濃い緑色のクローバーの葉がくすぐった。
「あっ…」
いつの間にか川の土手で寝てしまっていた事に気付いた。
深い闇だった空は薄く明け始めている。
スバルは起き上がらずそのまま反対側に寝返りを打った。
草の香りが…飛ぶ。
「えっ!?」
「起きたか?」
スバルの隣に、明けようとする空をじっと見つめる優がいた。
「何で?」
スバルの瞳が固まる。
「久しぶりにゆっくり夜空を見たよ。まぁ、星座なんて北斗七星しか分からないけどな」