妹A ~5人兄弟+1~
「あっ…」



優はつかさの髪を見つめた。
その1点を見つめる丸くなった目が可愛くて、つかさが笑った。



「じっとして!」



「何?」



優の顔がゆっくり近付く。



つかさの頬が一気に紅くなって、目がキョロキョロし始めた。



優の顔が斜めにつかさの顔に回り込む。



「………」



「捕まえた。ほら、てんとう虫」



優は子供のような顔で嬉しそうにつかさに見せた。



「カワイイ…」



「お前みたいだな」



2人は顔をくっつけるようにてんとう虫を見ている。



もしかしたらわざとくっついているのかもしれない。



今だけだと分かっているから。
今が最後だと知っているから。



「それは褒めてくれてる?」



「もちろん」

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