妹A ~5人兄弟+1~
1人残った駿は広く感じる教室を眺めて、深いため息をついた。
後ろの黒板に駿と女子生徒の名前の相合い傘がいくつか書いてある。
理彩の名前はもちろんない。
その時、廊下から足音が聞こえて来た。
「都築先生!ここにいたんですか」
駿のクラスの副担任の早坂だった。
「早坂先生、どうかしたんですか?」
「あっ、あの…、ちょっとご相談したい事があって…今晩、予定ありますか?」
背が高くセミロングの真っ直ぐな黒い髪、黒ぶちメガネが、より真面目さを表している。
「今晩…ですか?」
いきなり断る事も出来ず、とりあえず考えてみる振りをした。