短‐雨が好きな理由
☆梅雨特別バージョン☆
「お、上がれよ。」
「おじゃまします!ね、雨降ってきたよ!」
「相変わらずだな、お前。」
そう言って苦笑するあなた。
だって、雨が好きなんだもの。
雨音も、雨の降る姿も、雨上がりの美しく光る雨粒も。
あなたと私と、雨との記憶も。
それとね、何より好きなのは……
「ほら。」
そう言っていつも通り、私の手をとって一緒に窓を開けに行くあなた。
嬉しくて、顔をにやけさせて雨を眺める私。
ふと横に目をやれば、あなたが優しい顔で微笑んでいる。
この横顔が、一番、大好き。
―完―