トリゴニコス・ミソス
パレルソン(過去)
町外れにあるその洋館は、いつの頃からかそこに存在していた。

その町の誰もが、その洋館がいつからそこにあって、いったい誰の所有物なのか知らなかった。

古くて立派な洋館だったが、そこに人が住んでいるのを誰も見かけたことがない。

そこに存在するようになってから、かつて一度も住人を受け入れたことがないような、何者をも拒絶する威風を放っている。

不思議なことに、誰も住んでいないのに、その洋館はなぜかいつも誰かが掃除でもしているのかのように小奇麗だった。


子供たちの間では、この洋館はお化け屋敷の名前で広く浸透していた。

そんな洋館に、今三人の子供たちが忍び込んできた。

二人の少年に一人の少女。

少年の一人は、金色の髪と青い瞳を持つ絵画から抜け出した天使のような美しい少年。

もう一人の少年は、健康的で希望に満ち溢れた瞳をきらきらとさせた、かわいらしい少年。

そして、紅一点の少女は長く伸びたさらさらの黒髪が良く似合う、表情豊かな美少女だった。

三人は、はじめは恐る恐るといった感じでその洋館に入ってきた。

しかし、入ってみると思っていたよりも綺麗で明るいことに勇気付けられていった。

次第に肝試しというよりも探検気分になり、どんどんと奥へ進んでいく。
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