トリゴニコス・ミソス
入った瞬間不思議な感覚に襲われた。

二人はしばらくその場から動くことができなかった。

「……ねえ、太陽。

私たちってここに来たことってあったっけ?

なんだかわからないけど、今頭の中をものすごいスピードでいろんな映像が駆け巡っていったの。

その映像の中に、まだ小学生だった私たちの姿が……」

「ああ、俺たちはここに来たことがある。一度だけ……」

「思い出した!私たちあの時、二人じゃなかった。もう一人いたよね。

……イデア…君?」


そういった途端、美名の目から涙がぼろぼろと溢れ出してきた。

「なん…で、なんで忘れてたんだろう。

あの時、イデア君いなくなっちゃったままだよ!

だって、あの後一回もイデア君に会ってないもの。

イデア君どこに行っちゃったの、ねえ、太陽!」
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