トリゴニコス・ミソス
「二人ともよく寝てたね」

少女のその言葉に、二人は視線を交わして照れ笑いをした。

お互いに自分たちの行動がおかしいことがわかっていたからだ。

「何よ、二人とも」

そんな二人を見て少女はそのかわいらしい唇を尖らせた。

「ごめんごめん、なんでもないよ」

金髪の少年は、あわてて少女をなだめた。

黒髪の少年は、気恥ずかしさを隠すようにわざと乱暴に立ち上がると、部屋から出て行こうとした。

「どこに行くの?」

少女の問いかけに、少年はぶっきらぼうに答える。

「どこって、帰るに決まってるだろう。ほら、行くぞ」

少年の言葉に二人はあわてて立ち上がり後を追った。
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