トリゴニコス・ミソス
少年は、もう一人の少年がいなくなってから、すっかり元気をなくしてしまった少女を元気付けるように明るく話しかけた。
その少年の思いが通じたのか、少女はやっと顔を上げてにっこりと微笑んだ。
「そうだね。三人で帰ろうね!」
そうして、二人はその扉を開けた……。
扉を開けて外に出た瞬間、何かが起こった。
しかし、二人には何が起こったか知る由もなかった。
「あれ? 私たちなんでこんなところにいるんだろう?」
「……」
「あー! もうこんなに暗くなっちゃってる。早く帰らないとママに怒られちゃうよ。ねえ、早く帰ろう」
「……うん、そうだね」
二人は急ぎ足で家路をたどる。
家のすぐ近所まで来たときに、ぽっかりとちょうど家一軒分ぐらいの空き地があることに気づいた。
「あれ? こんなところに空き地なんてあったっけ?」
「……」
「まあ、いいか。じゃあ、私こっちだから、また明日ね! バイバイ」
そういって少女は元気よく家まで戻っていった。
少年は、その少女の背中が見えなくなるまでずっと見送っていた。
そして、ポツリと一言つぶやいた。
「美名、どうしたんだ……?」
【パレルソン(過去)・完】
その少年の思いが通じたのか、少女はやっと顔を上げてにっこりと微笑んだ。
「そうだね。三人で帰ろうね!」
そうして、二人はその扉を開けた……。
扉を開けて外に出た瞬間、何かが起こった。
しかし、二人には何が起こったか知る由もなかった。
「あれ? 私たちなんでこんなところにいるんだろう?」
「……」
「あー! もうこんなに暗くなっちゃってる。早く帰らないとママに怒られちゃうよ。ねえ、早く帰ろう」
「……うん、そうだね」
二人は急ぎ足で家路をたどる。
家のすぐ近所まで来たときに、ぽっかりとちょうど家一軒分ぐらいの空き地があることに気づいた。
「あれ? こんなところに空き地なんてあったっけ?」
「……」
「まあ、いいか。じゃあ、私こっちだから、また明日ね! バイバイ」
そういって少女は元気よく家まで戻っていった。
少年は、その少女の背中が見えなくなるまでずっと見送っていた。
そして、ポツリと一言つぶやいた。
「美名、どうしたんだ……?」
【パレルソン(過去)・完】