トリゴニコス・ミソス
パンは太陽に刺さっていたバラをしばらく観察していた。
「うん。やっぱり。このバラ、毒を持ってるぞ」
「えっ! じゃあ、早く解毒しなくちゃ。どうすればいいの!?」
「そんなにあわてんなって。大丈夫、太陽は男だから」
「えっ? どういうこと? もう、さっぱりわけがわからないよ」
美名は半べそをかきながらパンをにらんだ。
「そんな顔されると、おいら弱るなー。美名、本当に大丈夫だから。このバラには確かに毒はあるけど、それは女にしか効かない毒なんだ。多分、エオスが美名に嫉妬したからだろうな」
「なんで、私が嫉妬されなくちゃいけないの?」
「だって、そりゃ美名みたいにかわいい子がイデアを取り返しに来たっていうんだから、嫉妬の一つや二つはするだろう。なあ、太陽」
急に振られて太陽は困った顔をしたが、渋々という感じでうなずいた。
「まあ、そうだろうな」
「もう、太陽までそんなこと言って」
美名はかわいらしいその頬を膨らませて二人をにらんでいたが、二人の意見が変わることがなかった。
「美名、君は自覚がないようだね」
ここで、アポロンが話に入ってきた。
「自覚って?」
「君がいかに魅力的な女性かってことだよ」
「魅力的って……そんな、からかわないでください」
顔を真っ赤にして美名は反論した。
「まあ、君がどう思おうと勝手だが、君のその無防備な美しさはとても危ういものだよ。君はもっと自分のことを知らなくてはいけない」
「うん。やっぱり。このバラ、毒を持ってるぞ」
「えっ! じゃあ、早く解毒しなくちゃ。どうすればいいの!?」
「そんなにあわてんなって。大丈夫、太陽は男だから」
「えっ? どういうこと? もう、さっぱりわけがわからないよ」
美名は半べそをかきながらパンをにらんだ。
「そんな顔されると、おいら弱るなー。美名、本当に大丈夫だから。このバラには確かに毒はあるけど、それは女にしか効かない毒なんだ。多分、エオスが美名に嫉妬したからだろうな」
「なんで、私が嫉妬されなくちゃいけないの?」
「だって、そりゃ美名みたいにかわいい子がイデアを取り返しに来たっていうんだから、嫉妬の一つや二つはするだろう。なあ、太陽」
急に振られて太陽は困った顔をしたが、渋々という感じでうなずいた。
「まあ、そうだろうな」
「もう、太陽までそんなこと言って」
美名はかわいらしいその頬を膨らませて二人をにらんでいたが、二人の意見が変わることがなかった。
「美名、君は自覚がないようだね」
ここで、アポロンが話に入ってきた。
「自覚って?」
「君がいかに魅力的な女性かってことだよ」
「魅力的って……そんな、からかわないでください」
顔を真っ赤にして美名は反論した。
「まあ、君がどう思おうと勝手だが、君のその無防備な美しさはとても危ういものだよ。君はもっと自分のことを知らなくてはいけない」