トリゴニコス・ミソス
ラビリントスの出口を出ると、心配そうに首を長くして待っているパンの姿がまず目に入った。

そして、その傍らには優雅な立ち姿のアポロン。

美名は、本当に戻って来れたんだと実感した。

「美名!」

真っ先にパンが駆け寄ってきた。

「美名ー、良かったー。無事だったんだね。もう、おいら心配で心配で思わず中に入ろうかと思っちゃったよ」

「美名、良かった。無事に戻ってきてくれて」

二人からねぎらいの言葉をかけられて、少し照れくさかったが何よりも嬉しかった。

「ただいま。ごめんね、心配かけちゃって。でも、ほらちゃんとミノタウロスの涙ももらってきたよ」

そういって掲げた小瓶をみて、二人は目を丸くした。
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