トリゴニコス・ミソス
ノモス(掟)
太陽とヘルメスは暗い洞窟の前に来ていた。
ぽっかりと開かれた入り口は、まるで全てのものを飲み込んでしまうかのように不気味な雰囲気をたたえていた。
「太陽。ここが冥界への入り口だ。この洞窟をまっすぐ行けば冥界にたどり着くことができる。
オレの教えたことは覚えているか?」
「ああ、大丈夫だ」
「そうか。じゃあ、これを持っていけ。
冥界まで送り届けることもできるんだが、それだと後で面倒なことになると困るからな。
オレはここで待ってる。だから、ちゃんと戻って来るんだぞ」
そういって、ヘルメスは何かを入れてある袋を太陽に渡し、次いで太陽の額に祝福のキスをした。
「おい、やめろよ」
「なーに照れてんだよ。餞別だ、餞別。
お前が無事に戻ってこないと、美名ちゃんに恨まれるからな。
じゃあ、気をつけていって来い!」
ヘルメスに背中を押されて太陽は洞窟の入り口に立った。
太陽は、背を向けたままヘルメスに向けて手を振った。
「じゃあ、行ってくるわ。もし――
もしも、俺に何かあったら美名のことを頼む」
太陽はそう言うと、洞窟の中へと足を踏み出した。
ぽっかりと開かれた入り口は、まるで全てのものを飲み込んでしまうかのように不気味な雰囲気をたたえていた。
「太陽。ここが冥界への入り口だ。この洞窟をまっすぐ行けば冥界にたどり着くことができる。
オレの教えたことは覚えているか?」
「ああ、大丈夫だ」
「そうか。じゃあ、これを持っていけ。
冥界まで送り届けることもできるんだが、それだと後で面倒なことになると困るからな。
オレはここで待ってる。だから、ちゃんと戻って来るんだぞ」
そういって、ヘルメスは何かを入れてある袋を太陽に渡し、次いで太陽の額に祝福のキスをした。
「おい、やめろよ」
「なーに照れてんだよ。餞別だ、餞別。
お前が無事に戻ってこないと、美名ちゃんに恨まれるからな。
じゃあ、気をつけていって来い!」
ヘルメスに背中を押されて太陽は洞窟の入り口に立った。
太陽は、背を向けたままヘルメスに向けて手を振った。
「じゃあ、行ってくるわ。もし――
もしも、俺に何かあったら美名のことを頼む」
太陽はそう言うと、洞窟の中へと足を踏み出した。