トリゴニコス・ミソス
門の前について改めてその大きさを目の当たりにした。

その門の大きさは、太陽の背丈の二倍も三倍もあるようだった。

そして、その門の中にはプロメテウスも注意していた冥界の番犬、ケルベロスがいた。


ケルベロスは番犬などというかわいらしいものではなかった。

頭を三つ持ち、そのどれもが凶暴そうな目を光らせていた。

そしてその尾や胴体からは無数の蛇を生やしている。

それらも各々自我を持ち門の中へ入ろうとする者に隙あらば襲い掛かろうとしているようだった。

そして今、その番犬は太陽を発見した。

その恐ろしい形相の番犬は、新しいおもちゃを見つけた子供のように、太陽に向かって突進してきた。
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