【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
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かまいたち。
その名の通りイタチのような姿をしており、しかし両前足は鋭利な鎌になっている異形の生物。
鳥山石燕の描いた『画図百鬼夜行』にてそのような姿が固定されたと言われているがその著では『かまいたち』ではなく『窮奇(きゅうき)』という名が付けられているが真意は謎である。
なお現代に置いて『かまいたち』とは三位一体の妖怪だと認知されているがそれは岐阜県飛騨地方が発祥だと言われている。
「私の知っている『かまいたち』と言う妖怪の概要は以上です」
「……はぁ」
階段を上がりながら堺に『かまいたち』の事を尋ねてみたらスラスラと概要を述べられた。
ちょっぴり引いているのは内緒だぜ?
「自分で聞いておいてドン引きするとは良い度胸ですね」
バレてるぜ?
「はぁ、まあいいですよ今回だけは許してあげます」
「ありがとうございます」
今回だけは。ってのが気になるけどな。
階段から廊下へと進む。ここは三年生のクラスがある階だ。
けど時間帯、それに受験生と言うこともあってか流石に誰もいやしない。