【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち



もはやなんとでも呼んでくれ。


堺の罵声をシカトすると、オッサンが俺を見た。


あん?


一瞬オッサンが俺を忌々しげに見たような気がしたが、気のせいか。


再びオッサンが堺と視線を交える。


「彼はサドルなんか持ってどうするつもりなんだい?」


俺が聞きてえよ。


「あぁ、なんか突然自分の自転車からサドルを引っこ抜きまして『聖剣エクスカリバーは俺を選んだのだ!!』とか騒ぎだしまして」


「おいふざけんな!!そんな妄言吹き込むな!!やめろオッサンそんな憐れむような目で俺を見るな!!」


「それじゃ、うちの残念な方が騒ぎだしましてのでお暇させていただきます。失礼しました」


「おいバカマジで誤解を解け!?こんなケツ乗せるような聖剣があってたまるか!?」


会釈する堺はガン無視でクルリと来た道を戻っていく。


いやいや!?


せめて嘘ですとオッサンに言えよ!!


堺の背を追い言い寄るが「まぁ性剣だなんていやらしい」とか言われた。


発想がオッサン過ぎるだろ!!


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