【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「つか…バカ堺。どういう事だ?俺を、殺すだと?」
チラリと堺が俺を一瞥して「はぁ」とため息をつく。
「言ったでしょう。犯人はわかった、と」
残念ながら言われた覚えがない。
「まさか、犯人が俺だと思ってんのか」
「いえ。あなただとは思っていませんよ?」
は?
「だってあなたのような人間の形をしたミトコンドリアに物体を切断する事など出来ないでしょう?」
「お前、心の底から俺をバカだと思ってるのな」
「いえバカだとはこれっぽっちも思った事はありません。あなたはその辺にうようよいる細菌やウイルス、微生物をバカだアホだと罵りますか?」
「じゃあちょくちょいく俺に死ねだの言うのは何なんだよ」
「君達は一体何の話をしているんだ?」
俺達の会話に突然割り込んでくんじゃねえよオッサン。
オッサンをシカトして俺は緩慢に立ち上がり、首をコキコキと鳴らす。
あぁ頭痛ぇ。本気で殴りやがって。
将来マジでハゲたらどう責任取ってくれんだか。