【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「堺ちゃん。君は彼にいつも追い掛け回されて困っているんじゃないのかい?」
オッサンが真顔でそんな事を抜かしやがった。
「おい堺、なんだその追い掛け回されてるって」
「え?」みたいな顔されたし。
「だってあなたは私のストーカーじゃないですか」
見に覚えのない罪状を突きつけられた。
「……もう突っ込まないからな。で、お前はオッサンを嘘で騙して俺を殺させようとした、と」
「バカ言わないでください。私は加齢臭がするオッサンをおびき出しただけですよ?」
「か、加齢臭…」
オッサンが傷ついた。
俺の知ったこっちゃないが。
「て言うことはなんだ。もしかして俺は騙されたのか?」
いや、もしかしてじゃなくて完全に騙されたんだけどな。
「色々言いたい事はあるが、いいや。で、俺はオッサンをシバけばいいのか?」
「はい。そのために呼び出した訳ですから」
いつ呼び出したのかが気にはなるが、それも後でいいや。
「じゃ、悪いがオッサン。『いつも通り』やらせてもらうぞ」