【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
流石に、血を流し過ぎた。
力が入らない。
霞む視界の中、見上げればオッサンがニヤニヤと笑い。
緩慢に鎚を振り上げる。
あぁ~。完全に俺の頭ザクロに変身しちゃうな、コレは。
それもこれもバカ堺と関わったからなんだろうな。
死んだら絶対呪ってやろう。
思考を垂れ流しながら、目を瞑る。
顔を地面に密着させるとヒヤリと冷たかった。
「私の下僕をイジメないでください」
存外近くでそんな声がしたと思ったら追従するように野太い悲鳴が上がった。
やっと助ける気になったのかよ。
二人の挙動など見なくたって想像はついた。
それでも条件反射という奴で再度見上げるとーー。
ヒュンと、鎚が俺の眼前を通り地面にめり込んだ。
九死に一生とはこういうことなんだと思いました。
読書感想文みたいな文面をあしらってみたけど反応はイマイチだ。
二度とやることはないな。