【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「……っ」
「おっと」
よろめいた堺をうまいこと抱き止める。
今回に限ればよろめきたいのは俺の方ではあるけど。
しかしまぁ。堺が、自分の力を使ったのも事実。『鎌鼬』としての力を。
俺もよく知りはないが堺は先祖に『鎌鼬』がいたらしい。
遠い先祖ではあるが、ときたまその先祖の血を濃く受け継ぐ奴がいると言う。
『鎌鼬』の場合、それが堺なのだと。結構前にそんな事を言われた気がする。
で、その『先祖還り』と言うのだけど、そいつら『先祖還り』は先祖の力を激しい体力の消耗と引き替えに使う事が出来る。らしい。
だからよく事が終わるとこうやってよろめく事は多々あるのだ。
で、よくそれと同時に起きるのは。
「……つ、つ、捕まってたまるかよぉぉっ!?」
このオッサンみたいに再度の抵抗を試みると言う事象。
大体の奴が堺にこっぴどくやられるものだから、堺がこうなるとワンチャンス逃げられると勘違いを起こすのだ。