【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「……確かに。あれは私にも否はありますからね」
お。なんだなんだ。意外と珍しく素直だな。
いつもこれ位素直だといいんだけどなぁ。
読心術を使われたら多分ぶっ殺されるからこの辺にしておいて。
昨日、俺が救急車に運ばれる直前に問題は起きたのだ。
その問題とは。
「やっぴ~。おはよー二人共」
手をひらひらと振りながら現れた人物。
昨日最後まで教室に残っていた女子【日昌 晶(ひさかえ あきら)】。
この女子が色々問題なのだ。
「日昌、……誰にも言ってないよな?」
「全然問題無しよ。私をもうちょい信用してよ」
ニコニコ笑顔の日昌は俺等を通り過ぎ、自分の席に着く。
実はあの後に日昌が「いいもん見せてもらったよ~ん」と言いながら現れたのだ。
俺と堺の秘密。そしてオッサンとの激闘を。
俺等も『先祖還り』である事を知られるのはあまりよろしくないのだ。
……あぁ。堺さん、なんで俺を睨んでんだよ。
さっき自分にも否があるって言ってたじゃん。