【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
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「それって、かまいたちの仕業じゃ」
俺と堺を目の前にした後輩の女生徒三人組が言った。
「かまいたちって、鎌鼬?」
聞き返す俺。
とりあえず昇降口から一番近かった教室に入ってみたら彼女らがいたのだ。
「正確には妖怪ではないんですけど、先輩知りませんか?最近学校内で起きてる…通称『かまいたち』」
女生徒の一人が何故か声を潜めて言う。
『かまいたち』って、もしかしてあれか。
校内で『いつの間にか切られてる』ってやつか。
「どう思う。堺」
「あなたの事など眼中にはありませんよ?」
「いや俺の事じゃなくて、かまいたちだよかまいたち」
堺は「はっ」っと失笑する。
「バカバカしいですね」
え~。と何故か女生徒三人組が反応した。いやもう出てこなくていいよ。
三人に礼を言い教室から出る。
廊下は当たり前だけど閑散としていた。