【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「けれどですね。私は人に恨まれるタイプではありません」
違う。絶対違う。
コイツの場合恨まれてる事を知らないだけだ。
現に俺がそうだし。
「ま、ぶっちゃけるならミトコン。いえミトコンドームのせいで花が切られた訳です」
「俺のせいなのかよ。て言うかミトコンからなんで言い換えた」
そんなこんなくっちゃべってる間にいつの間にか二年の教室に、っておい。
「俺達の教室じゃねぇか」
「ちょっと忘れ物を取りに、ついでに誰かいれば話が聞きたかったんです」
そう言って前を歩く堺はドアを開ける。
「皆さん帰ったと思ったんですが、まだいました」
「は?」
立ち止まった堺の後頭部を避けて教室の中を見ると窓際に一人の女生徒。
彼女もまた俺の中では高評価な女生徒だ。
「あんた達はいつもラブラブだねぇ。彼氏のいないあたしにゃ羨ましいよ」
「バカ言わないでください。こんな避妊具が具現化したような存在と私がラブラブだなんて有り得ない冗談です」
避妊具=コンドーム。
避妊具=俺。
俺=コンドーム。
「ところで今日校舎裏に行った人とか見てはいませんか?」