【短編】俺と鬼畜でカワイイかまいたち
「校舎裏?」
女生徒は怪訝そうな顔をするが俺と堺を見比べて「委員会か」と呟く。
「残念ながら見てないね」
「そうですか」
「ごめんよ協力出来なくて」
「いえ。うちのコンドーム野郎に比べれば全然」
ついにオブラートにさえ包まなくなりやがった。
「ん~、協力出来なくて申し訳ないねぇ。でも『かまいたち』の事少し教えたげられるよ」
かまいたち。
俺は「どうする」と堺に目配せをするが、いねぇし。
「ありゃりゃ、堺ちゃんには興味のない話だったみたいだね」
堺は教室後方の自分のロッカーの中を漁っている。
例の忘れ物だろうか。
「なぁ、良かったら俺にその『かまいたち』の話聞かせてくれないか?」
「興味あるのコンちゃん?」
彼女の言うコンちゃんとは何を指しているのだろう。
避妊具ではないことを祈ろう。
「うんとね、私もよくは知らないんだけど『かまいたち』って女の子しか切りつけてないんだって」
「へぇ~」
男子は切らないのか。
「でね。切られるのは決まって足。それもスカートとソックスの間だけ。こんな所切られたら悪目立ちしちゃうよね」