私とキミの恋音。
海
「うみだぁ~!」
窓から顔を出して叫ぶ私。
「心奈危ないわよ。」
お母さんが注意してきてもお構いなしに私は窓から身を乗り出す。
「海見て興奮するとか幼稚だな。」
いかにもさっきのお返しの様に星が言う。
「うっさいな。」
「すっかり馴染んだみたいだね。」
敏也パパが運転席から私たちを見て言う。
「ちょっと目離さないで!」
お母さんがそう言うと
「悪い悪い。」
なんだかお似合いだな。
「さぁ、着いたぞ。」
敏也パパの言葉で私たちは車からおりた。
「お父さんとお母さんはバーベキューの用意するから遊んでおいで。」
そう言われて私は服を脱いで水着になった。
「星、浮き輪膨らまして。」
「あー?
穴開けとくかんな。」
「殺す気かっ!」
お兄ちゃんも上に来ていたTシャツを脱いで、私の手をひいた。
「行こっ」
「うん。
星も膨らませたら来なよー。」
「あぁ。」
星は何だかんだ言って優しい。
「心奈、星の事好き?」
「え?」
お兄ちゃんはにやにやしながら聞いてきた。
「まさか。」
「そっか。」
それだけ言ってお兄ちゃんはまた私の手をひいた。
はたから見たら恋人に見えるんだろうな。