冬がとける日
そして1人の住人を欠いた我が家に私が寂しさを感じないように、
母は明るく振る舞い続けた。

やはりその態度に対しても色々な無責任な意見が出ていたが、
母は何事も無かったかのように生活を続けた。


だから私も何事もなかったように生活をした。
強がったわけではない。


我が家にとって父親の存在はそんなものだったのだ。

嫌いではない。
けど別段好きだったわけでもない。
悲しさだけで言ったら、可愛がっていた猫が死んだ時の方が辛かった気がする。

我が家にとって父親は間借り人のように家庭に組み込まれていない存在だったのだ。
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