冬がとける日
ダムの決壊は直っていなかったが、
私は渾身の力を拳に込めた。


「調子に乗るな。今、私は失恋して傷ついてるの。六股もかけられて男なんて信じたくもないの。
そんな状況でよりにもよってあんたみたいな女にだらしないやつなんかとやり直せるか、バカ野郎。」


腹を抱えて悶える正樹を置き去りにして、
私は午後の授業に向かった。


そう。
正樹にとっかえられては、ひっかえられた女の子たちの中に私も入っているのだった。

私は本当に男運がない。


たった2ヶ月の恋だったが、散々な目にあって別れる時も、ああやって殴ってやった。

別れてからもまだ友達は続けているが、
天地がひっくり返ってもよりは戻さない。


そうだ!!
私は、立ち止まって、決心した。

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