冬がとける日
正樹のことだって大好きだったが、殴ってやった時からもうそんな思いは欠き消されている。

よし。正樹の言う通りってのは釈だが、俊之さんともきっかり話をつけて、
殴ってやる。


よし。
そう決め、踵を返し、まだお腹を抱えて踞っている正樹に話しかけた。


「ねぇ正樹。あんたさ車の免許持ってるよね。
今から一緒にバブル期のくそ映画みたいなやつんとこ行かない?」

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