冬がとける日
「え?何々?おまえら知り合いだったの?」


井坂が和美と雄一に問いかける。


「知り合いというか、通学用のバスが同じなの。で、今朝友達になったばかり。」

和美は要点をまとめて話した。


雄一は隣で頷いている。



「てか、雄一くんと井坂も友達だったんだ?」


和美は雄一に問いかけた。


「ああ。オレら同じバスケ部なんだよな!!」

井坂はそう言って、雄一と肩を組んだ。


「今日は、バスケ部とは別件でこの近くまで来たから、寄ったってわけ。
和美たち暇だろ?
一緒に飯でも食おう」

と、
そこで一部始終を見ていた早苗が口挟んできた。


「雄一くん…って、あの雄一!?」

「え、早苗も知り合いなの?」


和美は聞き返す。


「いや、和美しらないの?彼、有名人よ。
みんな格好いい格好いいって言ってるの知らない?
ほら、2組の静香や四組の由香利なんかが写真持ってたじゃない。
この辺で彼知らないなんて多分、和美だけよ。」


早苗は雄一をまじまじと観察していた。
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