冬がとける日
雄一がアイドルだと言うことを理解し、4人でご飯を食べに行くことになった。


和美の前方では、井坂と早苗がじゃれあっている。


二人の掛け合いをクスクス笑って見ていると、

横を行く雄一が話しかけて来た。

「びっくりした。本当にびっくりした。まさか和美ちゃんがいるとは。
あ、誤解しないでね。
今日帰りに二高に寄ろうって言い出したのは井坂先輩だし、
オレはそんなこと反対したんだ。
うん。」


雄一の言い訳がなんだか面白い。


「別にいいのよ。井坂はああいう性格だし。
何より雄一くんはアイドルくんだしね。
女の子と遊びたくもなるものです。」


雄一はずっと、「オレは違う!!」

と言っていた。
なんだか朝の落ち着いた雰囲気とはまったく違って面白かった。
和美はずっと笑っていた。


「じゃぁまたな!!」

四人で遊んだあと、和美と早苗を、井坂と雄一は近くのバス停まで送ってくれた。


雄一と一緒に帰れるのかな。
と期待していたが、

雄一はこれからまた学校に戻らなくてはならないらしい。


まぁいいか。
また明日会えるし。


和美は自分がどうしてこんなに朝を楽しみにしているか、未だ良く分からなかった。


「また明日。」

雄一が言った。


和美は井坂と雄一に手を振った。

早く明日が来ないかな。
それだけだった。
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