冬がとける日
それから、
和美は朝、雄一と共にバスで学校へ行くのが日課になった。


雄一との話は楽しくて、
朝の時間が楽しみで仕方なくなった。


いつの頃か、
雄一は一高前で降りなくなった。


「降りなくていいの?」

という和美の言葉に、雄一は、
「ああ、いいのいいの。それよかさ…」


と、話を続ける。


そして二高前で和美が降りる時に一緒に降り、


「オレはここから走っていくからいいんだ。
また明日ね。」


とだけ言って、また来た道を戻って行った。


なんだか悪いと感じたが、

それよりも嬉しさが勝つ。


少しでも長く雄一といられる。


また朝が楽しみなった。
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