冬がとける日
「い、今なんて?」


私は思わず聞き返した。


「ですから、葛城さんのお母様は、目の病気です。
残念ですが、もうすぐ左目が完全に視力を失います。
右目の方もそう遠くはないかと。
命に関わるような病気ではないのですが、いまだ原因がわかっていない病なのです。
覚悟していて下さい。
まだ、ご本人には伝えないようにはしますが、
娘さんは知っていて頂いた方がいいかと。」



目が見えなくなる?


母の目が・・・



確かに母は昔から目が悪かった。

私も妹もド近眼だし、
けど、ただそれだけではないのか。


私はまた蒼白で部屋を後にする。

一難去ってまた一難。


最近どうしてこんなに運が悪いのか。


だいたい目が見えなくなるなんて、
韓流ドラマだけではないのか。



次は記憶を失うのか?

雪だるまでも用意するしかないか?


そんなボンヤリとした状態で正樹と合流し、
母の病室へ戻った。
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