冬がとける日
「えー。しばらく入院なんて聞いてないわ。
ゆき、あんた厄介払いしようとしてるでしょ?」


母はむくれた。


そんな母の目が近いうちに光を失うとは到底思えない。


荷物を取りに帰るとだけ言い、正樹とともに病院を後にした。
< 53 / 79 >

この作品をシェア

pagetop