冬がとける日
よく年もよく年も、雄一は和美にプラチナの指輪を送った。

約束通り。


そして5年の月日がたった。


和美は地元の信金に就職し、
雄一は地元の国立大生になっていた。


二人とも離れたくなかった。


和美の指輝く指輪の裏にはメッセージが掘られている。


信金の前のベンチに大学生が終業時間になると座っていると職員の間で噂になった。


「ほら彼氏が来てるぞ。」

そういわれるのが日課だった。

和美はからかわれながらも嬉しかった。



そして和美の23歳の誕生日。


雄一も教師になる見通しが付いたころ、


雄一は和美にプラチナではなくダイヤの指輪を送った。


「結婚しよう。
オレが大学を出たら、結婚しよう。これから先の人生は二人で歩いていこう。」


雄一は昼下がりの公園でプロポーズした。


梅雨入り前の澄んだ空。


風が心地よい。


和美は目に涙を溜め、
「はい。」

とうなずいた。


二人は抱き合い、永遠を誓った。
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