冬がとける日
母はずっとこの地に住んでいるから、


雄一の通った地元の国立大私の大学のことだろう。


母方の祖父母は他界しており、「雄一くん」を探す術はそこにかけられた。



出身は一高で今から約20年くらい前の卒業生。
名前は竹下雄一。


見つけられといい。


そう願いながら、

母の荷物を病院に届け、大学に急いだ。


なんて言って頼むべきか。


最近は法律も厳しいから、いろいろと難しい。


うーん、、
一高…


と頭を巡らしたとき、


正樹の顔が浮かんだ。


やつは一高の卒業生だった。
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