冬がとける日
「正樹、今どこ?暇なら、大学まで来て。てか、暇じゃなくても来て。一大事なの。」

と、用件だけを伝え正樹の返事を待たず、電話をぶつ切りした。



5分後、正樹が血相変えて飛んできた。


「な、なんだよ、どうし…たんだよ…」

駐車場から走ってきたのだろう。

肩で息をしている。


「まさか、お母さんに何かあったのか?」


正樹の目は真剣そのもの。


私は正樹をひっぱって、
同窓会室に急いだ。


「いいから着いてきて。」
< 77 / 79 >

この作品をシェア

pagetop