Call Your Name
第八章 逃げたい心
─────文化祭当日─────
盛り上がる校内に気分ものってくる。
今日はナデシコとツバキと回る約束をしているから、もっと気分が上がる。
「スイレン!」
ツバキの大きな声がしたと思ったら、教室棟の端からあたしを呼んでいた。
………なんて響く声なの………!
あたしは手を振った。
ここで大声を出せるほどの勇気はないから。
「なぁ、ナデシコが見当たらないんだけど……知らねぇ?」
「え?見てないよ?」