[妖短]夢幻寺
─しかしさ、お侍様。私は未だ、不思議でなりませぬ。

私は妖怪を信じていないと申し上げましたが、

あれは、間違いなく人ならぬものの仕業に違いありません。

だってそうではありませんか。

普通、刀で斬った赤子が生き続けることがありましょうか。

ただ…私達のどちらかが、混血、妖と人間の混血だったのなら話しが通ります。

しかし、私もおまみもそんなことは存じませんし、普通は有り得ないことです。

なぁ、咲重郎殿。

どうします。




─自分の内に、妖がいるかも知れない。

そうなったら。
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